さんぽみちのちしつColumn

第3話 ~川はなぜ曲がる?~

2021年03月31日(水) 

 寒い季節、湯の香漂う露天風呂といえば日本なら嫌いな人はいないだろう。山形県は温泉に恵まれ全市町村に豊かな温泉が湧き出ている。今回はその温泉のふしぎについてひもとこう。


温泉の元となる熱源は、明確な区分は難しいが3種類あるとされ、それぞれ(1)火山熱型, (2) 大深度型,(3)プレート熱型と呼ぶ。「火山熱型」は蔵王温泉などの火山性温泉ばかりで無く、赤湯や東根など、比較的浅部で高温の湯が得られる温泉はこれに含まれる。「大深度型」は、地下増温率により加温された温泉で当社の髙田温泉をはじめ、近年開発された温泉の大半はこれに属する。「プレート熱型」は、兵庫県の有馬温泉が代表で、プレート境界の摩擦熱が熱源だという。


大深度型に関連する「地下増温率」は、日本では平均3℃/100mだというが、寒河江近郊にはそれを遙かに超える増温率の地区がある事が徐々に明らかになってきた。一つは市内元町〜八幡町にかけての一帯で、これは以前から知られていた。二つ目は平野山の東側、三つ目が白岩の東部地区であり、それぞれ浅い井戸で20℃を越える微温水を得ている。浅部で急激な温度上昇が見られると云うことは、地中深くの熱水が地表まで上昇する連続した“隙間”が必要なわけで、拙稿で述べてきた“断層”に関連していると考えるのが理解しやすい。白岩東部地区については初出であるが、寒河江川の屈曲部〜谷沢いこいの森〜左沢の最上川蛇行地帯に抜ける明確な地形の線状模様(リニアメント)が存在する。おそらくこれも断層に起因したものだろう。左沢温泉(通称、てんや)でも28℃の微温湯を得ており、断層に近接しているという素養はある。


谷沢いこいの森に温泉の源泉を掘って、平野山の山頂にホテルを造れば、月山〜朝日を一望できる大パノラマと夜は寒河江・山形盆地の夜景が望める温泉リゾート施設になるのだが……どなたか開発に挑戦してみませんか?

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